愛は惜しみなく与う⑦

……泉か


右手に拳銃をもつサトル

その手首を掴み


銃口を自分の顎に当てる



顎に冷たさを感じる


大丈夫




「みんなに手を出すなら、あたしを殺してからにしろ」


赤く光る眼
瞬きもせずにその眼を見る


「俺が指を動かせば、本当に死ぬよ?」

「知ってる。泉をやりたいなら、そうすれば?全て覚悟してここに来た」

「震えてるのに、強気なのも可愛いな」


うわ!
サトルは手から拳銃を離してあたしの両手を掴む。


「お前の前で誰か殺してやろうかと思ったけど、逆にしよう。


みんなの前でお前を犯してやろうか」


なる、ほど
サトルは冗談なんか言わへん。
ほんまに頭の中で、どうやれば誰が傷ついて壊れるか、常に考えてる



「なぁ、あんたは誰を壊したいん?」

「……そう、だな。杏はどうやったら壊れる?足りない。絶望が足りないんだよ。あの時の杏は、すごく綺麗だった」


サトルの指があたしの目から下にさがり首元をつたう