「あんたは、そんな気ないやろうけどさ。あんたの周りには同じような人達が集まったはずや。ただ悪さをしたい奴も居たと思うけどさ。あんたの周りに集まった奴らは、あんたに期待してたんやと思う」
「き、たい?」
「うん、そう。期待。人はどんな人のところに集まると思う?」
もう何がなんだか分からない空気
お姉ちゃんはサトルに、優しく問う。
その姿はまるで……
「優しすぎんだよ」
声のした方を振り返れば、悔しそうな顔をした泉さんが、お姉ちゃんをみて呟いた。
そんな奴放っておけよ。そう言いたいんだろうね。それでも、優しすぎるお姉ちゃんを愛おしそうに見る目がすごい。
「俺は…誰かに期待なんて…」
「ちゃうちゃう。あんたが期待してるどうこうは、今はええねん。人は……どんな人のところに集まると思うか、聞いてるねん」
膝をついてるのが痛くなったのか、お姉ちゃんはその場に胡座をかいて座った。



