愛は惜しみなく与う⑦

サトルとの距離を縮めて、サトルの目の前に立つお姉ちゃん。

泉さんはどうしようかと焦ってるようにも見える。この距離でサトルがお姉ちゃんに何かしたら助けれないから。


それほどまでに、2人は近い距離にいる



「触れてみ?あたしのことが分かるかもしれへんで」

「やめろよ!分かりたくなんてない」

「我儘やなぁ。自分のものにしたいんやろ?そうするにはまず、あたしを理解してからや。知らないものを…自分が受け入れれないものを、自分のものに出来るわけないやろ」


サトルの片手を掴み、お姉ちゃんは自分の頬にその手を導いた



その姿は異様だった





「傷つけるんじゃなくて、優しく触れてみ?どうや?人ってあったかいやろ。想像以上に柔らかいやろ」


そにままサトルの手を頬から下にずらし、自分の首元にサトルの手を置く


今すぐにでも何やってんだと、泉さんは駆け寄りたいだろうけど、お姉ちゃんの空気がそうはさせてくれない。



「よく見て?あんたに首を絞められた跡が残ってる」