愛は惜しみなく与う⑦

愛さんは……毎日死にたいと口癖のように言っていた。

3人でご飯を食べたこともある


「そうか、水瀬から聞いたんだったな?愛は…殺したけど?頼まれたから仕方ないよね」


水瀬はお姉ちゃんを見てにこりと笑った。
殺したって……やっぱり…

ここ最近何も食べていないのに、吐き気がこみ上げてくる


「うっ…」


胃から何かあがってくる感覚

振り返ったのは泉さん


『吐くなよ』と目が訴えている


……はぁ
その顔を見て吐き気も治った。優しいけど甘くはない。これは聞かなきゃいけない話だ



「はいはい、そう睨むなよ。全部教えて欲しいんだろ?聞いてどうするんだか」


やれやれと言いながらサトルはお姉ちゃんにそのまま語り出した



私の知らなかった、愛さんとサトルのことを。そしてどうして彼女が死んだのかを。




「どうやったらお前が俺を憎んでおかしくなるのかを、毎日考えてたんだ。鈴を目の前で殺すって言うのは当初の計画で……最初は普通に鈴を殺そうとした」


そう言われて冷や汗が出た

サトルは私を殺すつもりで側に置いていたと分かってしまったから。