愛は惜しみなく与う⑦

とても不思議な気持ちになり、サトルの話すことを聞いていると、お姉ちゃんは遮るようにして、聞きたいことがあると言った。



「あの時死んだ子は?」



お姉ちゃんは私から離れて泉さんの隣に行く。あの時死んだ子?

そういえば……私はあの時、あの事件の時、気絶したお姉ちゃんの前から離れた。

水瀬に連れられて、サトルのそばから離された。


今思えば…お姉ちゃんはどうして私が死んだと信じたんだろう。お姉ちゃんは注意深い人だ。
証拠もないのに…そんなこと信じるの?遺体がないと、信じなさそうだけど。


でも違った




「あたしの目の前で、ほんまに死んだ子がおったやろ。あんたは……なんで水瀬の妹を殺したんや」



お姉ちゃん…?何をいってるの?水瀬の妹?


それって…愛さんだよね?
最近見なくなったと思ってたけど、サトルが殺したって、どういうこと?

怖い
身体の震えが止まらない


愛さんと…私は話したことがある。