あたしの問いに素直に答えるサトル


志木は鈴を抱えるよう持ち上げて、入り口の方まで下がった。

催涙スプレーね


「昴!くる途中にトイレあったやろ。あそこの水道は生きてるから。全員…かかったところ洗ってあげて」

「わ、わかった」


昴が敦子をつれて水を取りにくい。
すぐ洗い流さへんかったら、かなりの激痛なはずや。泉は…あの感じやと、モロにかかってしまったんか?

苦しそうな声だけが聞こえる



サトルから一瞬目を離した


あ、やばい、


間に合うか?

サトルの目の前に飛び出して、サトルの右腕に飛びかかる。サトルも驚いた顔をして咄嗟に腕を上に挙げる。



パンッ



あたしに当たると思って腕をずらしたのか

サトルの撃った拳銃の弾は、部屋の天井に当たる
 
こいつ



泉を撃とうとした?



「危ないだろ?お前に当たったらどうする」


「……あんたな、ほんま、ふざけんのも大概にせぇよ!!!!」


腕を掴んだまま、サトルの首元に肩を当て、力を入れると、サトルはバランスを崩してあたしごと地面に倒れる。