「ふ、ぅ……ん……っ」

奥で縮こまっていた私の舌を、四宮さんのそれが捕まえ撫でる。
舌の端を舌先でいじられると、背中をぞくっとした感覚が走り目に涙が浮かんだ。

雪の音とは違う水音が聞こえ、恥ずかしさで堪らなくなる。

こんなところ、誰かに見られたら……と、キスを受け半ばパニックになりながらもそろりと目を開けて確認すると、視界は全部傘だった。

四宮さんが傘を歩道側に傾けて隠してくれたんだとホッとした時。
よそ見した私を咎めるように舌先を甘噛みされ、大きく体が跳ねた。

キスしながらも四宮さんが少し笑ったのがわかり……羞恥心に襲われながらも、そっと彼の背中に手を回す。


私が次にここが外だと思い出すきっかけは、誰かがオートロックを開けた音となった。