『そういう経緯もあるから、総合的な判断としては塚田さんが報告したところで、派遣会社から塚田さんに注意がいくよ。だから大丈夫』

浅尾さんはああ言っていた。

店長も私をきつく叱るわけでもなく、『藤崎さんがそこまで追い込まれるほど放置して申し訳なかった』と逆に謝っていた。

だから余計になのか、自分で自分を責めることがやめられない。

『タイミングを計っているうちに、チャンスを逃して、溜め込むしかできなくなって結局変な時に爆発したりして面倒なことになったり……』

自分でそれをわかっていたくせに、そういうところがダメだと知っていたはずなのに、また繰り返した。
途中で止められなかった。

小学校の頃の授業参観が脳裏に浮かぶ。
あの時の騒然とした雰囲気は、まるで私を責めるようだったことを思い出した。

「ご飯、作りたくないな」

マンションが近づいてきて、独り言をつぶやく。
氷室さんに言ってなにか買ってきてもらおうかな……という考えが頭に浮かぶ。

「……ダメだ。しっかりしなくちゃ」

甘えた考えを頭をぶんぶんと振って振り落としていた時、マンション前に立つ四宮さんに気付いた。

夜道だけれど、マンション前にある街灯のおかげで遠目からでも判断がついた。
どうしたんだろう……と思いながらも近づくと、四宮さんが私を見て目を細める。