――「暑ぅ〜」
夏休み入って最初の部活。
私は友達のユカちゃんと一緒に部室へ向かっていた。
「あ、そっか〜……先輩もう部活に来ないんだよね」
「……」
「たけっちゃんと先輩、すごい仲良しだったのに……寂しいよねぇ」
「……」
「ねぇ、たけっちゃん聞いてる?てかなんか歩くスピード早くない?」
「……」
私はほとんど早歩きのペースで廊下を進んでいた。
そしてようやく部室に着き、私は勢いをそのままにガラッと扉を開く。
部室には他の部員が既にちらほらといて。
「お、佐竹さん達おはよー」
部員の挨拶に「おはようございます」と素早く返して、私は部室内の棚へ直行した。
そして元・先輩の棚を開ける。
中には確かに小さなメモが1枚入っていた。
「たけっちゃんどしたの?なんで棚?」
ユカちゃんの言葉を聞きながらも、私は構わずそのメモを手に取って開いてみる。
……あ。
「え、たけっちゃん!?」
私はその場に座り込んで、メモを見ながら笑いだした。

