それに怯む男。
「な、なんだよ。あんた。邪魔すんなよ」
「お前こそなんなんだ。この子になんの用だ?」
「忠志さん…」
「あぁ、もう大丈夫だよ。さぁ行こう」
そう言って、ぐっと彼女の肩を抱いた。
それを見た、男はカッとなって俺に食ってかかろとする。
「ちょ、待てよ!あんたらどういう…」
「お前なんかにいちいち説明する理由なんかない。それよりもいつまでそんなチャラチャラしてるんだ?見ろ、皆がお前に呆れてるぞ」
「…っ。ちっ!うるせー!格好つけやがって。憶えてろよ!」
どいつもこいつも、ありきたりで陳腐な台詞を、当たり前のように吐いてはその場を去っていくな…。
そんなことを思っていると右腕にぎゅっと重みを感じた。
「えっと…彩里ちゃん?大丈夫…じゃないか。顔が真っ青だ。少し落ち着くまで、ここ入ろうか。俺、昼メシの途中なんだ」
小刻みに震えている肩に力を少しだけ込めると、なんとかその場から離れるように彼女を促して、さっきまでいた店に招き入れた。



