古井さんの言葉に満と綾子が罵声を上げる。そんな二人を香奈が止める。俺も今はそんな事より古井戸に落ちた彼女を助けるのが先だと声を上げる。

「そうだ。彼女の証言で不審者を捕まえるぞ‼︎」
「…まだ、気づかないの?」
地を這うような古井さんの声とずるずると何かが古井戸から登ってくる。
今まで黒い穴しか映さなかった光に、一本の腕が見える。しかしその腕には蛆が湧き、所々骨が見える。その腕は古井戸を掴むと人とは思えない速さで登り始める。光に腐った腕を持つ制服を着た女が姿を現す。