父さんが腕時計を母さんが壁にかけている時計を見て、仕事へ行く支度を始める。

「うん…」

私は静かに朝食を終えて、鞄を掴んで玄関へ行く。

「それじゃあ、行ってくる」
「行ってらっしゃい、あなた」
「父さん、行ってらっしゃい」

父さんを見送ると今度は私の番。ローファーを履いて、母さんに向かって挨拶をしようとする。