「あれ?敏?」

そんな声と共に俺の背後に光が当たる。俺が慌てて振り向くと、そこには数人の男女がこちらに向かって歩み寄って来た。
自分に向けられた懐中電灯の光で相手が近付くまで姿が分からなかったが、目が慣れた頃に相手の姿に目を見開く。

「…香奈?」
「やっぱり敏だ!久しぶり〜」

大きく手を振って笑う彼女、上平香奈は同じ学校に通っていたクラスメイトだ。隣には旦那の俊樹もいる。