「私達って、享は⁉︎享もそこにいるのか⁉︎」
「は、はい。柳原くんも学校にいます。お願いします、早く学校へ来て助けてください」
「分かった、すぐに行く。君も安全な場所に隠れているんだよ」
「は、はい…」

女が鼻をすする声を聞きながら、俺は受話器を置いた。そしてスマホを持って学校へと走って行った。
息を切らしながら、俺は校門前へと辿り着いた。暗闇にうっすら見える校舎は年季が入っているせいもあって薄気味悪い。自分の母校でもあるのにと思いつつ、俺は校門を飛び越えようと柵を掴む。