彼を見た。最初に出会ったときのような笑顔で、私を待っている。
北見くんのお姉さんでも、他の誰でもない、この私を。
嬉しかった。私を選んでくれたこと。
私が彼を好きになったように、彼も私を好きだと言ってくれたこと。
ほら、この出会いは、偶然なんかじゃなかった。結ばれるべくして結ばれた私たち。これを運命と言わずしてなんと言おう。
私は光に包まれる。きっと、みんな、私たちを祝福してくれるから。──私は。
私を止める声を無視して、
フェンスを乗り越え、
向こう側に降りて、
空中に身を投げ出し、
両手を広げ、
彼が待つほうへと、
────一歩、踏み出したのだった。
fin.



