「シロちゃん、何食べるー?私はねー…」


んー…とメニューを見ながら肩下で揺れる真っ直ぐな髪に目を奪われる。


最近、どうにも抑えが効かなくなりそうで困る。
それは多分、美登の仕草が…美登自身が、キレイになっていくせいだろう。



出来れば、1番傍にいる俺を見て欲しい。



そんな欲求は、今。
一体どこに、捨てればいいんだろうか…。
こんな風に、"親友"として信頼されている状態で…。



「すみませーん、俺あんずで」

「ええっ!私もそれ狙ってたのに!シロちゃん!ズルい!」

「じゃあ、何と悩んでたんだよ?」

「…クリームあんみつ」

「くははっ。じゃ、半分コな。すみません、クリームあんみつもお願いします」


くしゃくしゃ


撫でる度に、しっとりと手に馴染む髪が、俺の保護欲を掻き立てる。


守りたい。
守り抜きたい。


俺で…。

俺だけで…。

俺の全てで…。