あんまり、男慣れしてない美登だけれど、どちらかと言えば、密かに狙ってる奴が多い。

それくらい…愛らしくて……言葉にするのはなんとなく、はずいけど、美登は可愛いわけで。


当然と言ったように…そんな奴らからも美登を守りつつ、傍にいることを選んだ。
自分こそ偽善だろうと言われてしまえばおしまいだけれど…。


美登の笑顔の為に。
これ以上悲しませない為に。



「シロちゃんはこーんなに格好いいのに、なんで彼女出来ないのかなぁ…?性格だってすっごく優しくて良いと思うんだけどなぁ…?」


それは、お前が知らないだけで、全部断ってるからだ!


なんてことはおくびにも出さず、放課後の約束をする。

「んなこた、どーでもいいんだよ。んじゃまたあとでな。放課後待ってっから」


くしゃくしゃ


手入れのよく施された、質の良い髪を撫でて、ニカッと笑うと、じっとそれを見た美登がにっこりと笑って俺を見た。


「うん!また、あとでね!」


美登のこの顔さえ見られるならば、俺の気持ちなんか正直どうでも良かった。


『好きな女』、の涙ほど堪えるものはないから…。