美登には、もう3年くらい片想いしている奴がいる。
そいつの為に、猛勉強してこの学校に入学したのも知ってる。
…なんでか?
それは、俺が美登を好きになったからだ。
一年の夏休み前という変な時期に転校してきた俺は、偶然隣の席になった美登の笑顔にノックダウン。
一目惚れなんて、言葉は少女漫画か辞書くらいにしか出て来ないと思っていた俺が、本当にインスピレーションで、まさかの恋に落ちてしまった相手が美登。
だから、か…。
すぐに気付いた。
こいつは、色んなことを無理してて、そしてその倍我慢してしまってるってことに。
「大丈夫か…?」
思わずそうやって声を掛けていた。
「え…?」
きょとん、とした顔。
けれどすぐに、その顔は少し歪む。
なのに…返ってきた言葉は。
「大丈夫…だよ?」



