【短】1人で泣くんじゃねぇよ



「んじゃあ…」

「…ん?」

「もう、一人で泣くんじゃねぇよ?」

「…うん」

「絶対に、だぞ?約束しろよ?」

「シロちゃん、お父さんみたい」


くすくす笑って掴まる手とは逆の方で、ちょいちょいと俺の顎をつついて…。


「すき…」


ちゅ…


そんな風に、言われて撃沈した。


全く、美登には敵わない。


これが惚れた弱みってやつなのか…?


俺はそっと美登の体を抱き締めると、耳元で「俺のが倍の倍だ」


と、返した。



これからも、絶対に泣かせたりなんかしない。

だから、マジで一人で泣くんじゃねぇよ?

いつだって、お前の傍に俺はいるから…。



Fin.