でも、美登はぶんぶんっと横に首を振って、もっと引っ張る手に力を込めて来る。
その、美登にしてかなり大胆な行動に、一度焼き切れてしまった理性は止らなくなってしまう…。
「そんなにされたら…止められなくなる、ぞ…?」
「シロちゃ…」
ちゅ…
リップ音だけが、二人の空間を切り取り、鳴り続ける。
結局、その時間は、永遠に続くんじゃないかというくらい、長くなった。
「なんか……わりぃ…。その、色々と押し付けた、な…」
「ううん。…私はシロちゃんの気持ちが分かって嬉しい…」
なんとなく、うっとりとした、嬉しそうな顔をしている美登に向けて、俺はニカッと笑い掛けてから、
「そっか…なら良かった…」
と、言って…。
「って、はっ?!な、なんだ、それ?!」
反省した後の態勢で、この反応はどうかとも思ったけれど、真正面から美登のことを見た。
「お前、何言ってっか分かってんのか?」
「?…うん。分かってるよ?」
「俺、お前のことが好きなんだぞ?」
「うん。今聞いたよ?」
…これじゃあ、話は平行線だ…。



