「まどかちゃん、見たって…。シロちゃんが告白されて断ってる所。…で、断った相手に私のことが理由かって言われて一瞬ためらってから、違うって答えてたって」
ウルウルと美登の瞳が揺れる。
俺はその頭をくしゃくしゃと撫でると、ゆっくりと言葉を吐き出した。
これで、ちゃんと伝わったらいいな、なんて思いながら…。
「あー…なるほどな。確かに、告白はいくつか受けてっけど。みんな断ってる。けど、それは俺の気持ちであって、そこに美登が関わってたら変だろ?…だから、そういう意味だよ」
そこまで言うと、ぽろり、と美登の瞳から新しい涙が溢れた。
俺はそれを見た瞬間、今までギリギリのラインでせき止めていた理性の糸が、ぷつん、と切れた音を聞いた気がした。
ちゅ…
「……ん…っ」
「…ばぁか。ほんっとに危なっかしいな、美登は。俺が大事に思ってんのは、美登…お前だけだよ」
「シロちゃん…」
「お前が他の奴好きでも、俺はお前のことが好きだから…だから、一人で泣くんじゃねぇって。それが、一番キツいっての」



