「あーもー…!なんなんだよ!俺に好きな奴がいたら、どーすんだっての!」

「…え?!い、いるの?!本当に?!」

「はっ?!なっ、お前!もしかして、カマ掛けたのか?!」


そう問い詰める。
と、何を考えたのか、怒ったような困ったかのような顔をして、美登は自分の財布から、自分の分の代金をテーブルに置くと、態度を豹変させた。


「私、帰る!!」

「はっ?!ちょ、ちょっと待てって…!」


ガタンっ


と、俺の言葉に聞く耳も持たず、店から出て行ってしまった。


「はぁー…なんなんだってんだよ。全く…」


俺は残すのも悪いので、周りの痛い視線を感じつつも、手元の皿に盛られたあんみつを全部平らげてから、店を後にした。