おい、起き…

何だろうか、声がするような

寝て…お、き

(う~ん、うるさいな。もう少し…。)

次の瞬間、おでこに痛みがはしる

「いったぁ~!」

勇吾「お、やっと起きたかブス。」

どうやら中々起きない私にデコピンをくらわしたようだ

「目覚めがあんたの顔とか最悪だわ~…。
 何で居るのよ。」

辺りを見渡したら私の家で、リビングの
ソファーに寝かされていた

「2人は~?それに今何時?」

勇吾「先生は買い出しにさっき行った。
   敬幸は、知らねぇ。」

時計を見やるとどうやら朝の7時のようだ

(まだ2,3時間しか経ってないのか…。)

勇吾「ちなみにお前、1日中ずっと眠って
   たかんな。」

「え?」

(あの日は25日だったから…今日は?)

慌てて携帯を確認する

3月27日 7:35

「はぁ~~っ!何で?」

勇吾「こっちが聞きてーよ。ぐっすり気持
   ち良さそうに寝やがって。」

勇吾は呆れた声で話す

「こんなに眠ったの、初めてだよ…。」
(私の体何かおかしいの?)

ピンポーン

呼び鈴が鳴ったので私は玄関に赴く

「はーい、どちら様でしょうか?」

ドアを開けると、鳳馬がいた

鳳馬「どうも。
   ちょっとよろしいかしら?」

「うん、どうしたの?」

すると丁度よく、キョウちゃん達も帰ってきた

キョウヤ
  「わっ!お前、あの時の!?」

鳳馬「突然すみません。でもお話ししたい
   事がありまして。」

鳳馬が話した事はこうだ

結局あの後組織自体が崩壊してしまったので、また一から始めるようだ

鳳馬「本当にごめんなさい。貴方がたの
   お嬢さまを勝手に連れ出したうえに
   危険にさらして…。」

そう言い、鳳馬はキョウちゃん達に頭を
下げる

キョウヤ
  「目的は何だ?
   まさか…復讐の為に桃子を…!」

鳳馬「いいえ!それは違います!そんな事
   では絶対ありません!
   でも、瞭祐は…ただ桃子ちゃんの事
   守りたかったと。」

キョウヤ「は?あいつがか?」

鳳馬「ええ…。元々、桃子ちゃんをあの
   組織が無理矢理にでも奪っていく
   計画を立てていた事は前々から知っ
   ていたんです。なので此処に居る
   よりはこっちで預かる方が安全だと
   思いまして…。でも…貴方達の所の
   方が安全でしたね。」

罰が悪そうに苦笑いする

鳳馬「じゃあ、これだけ伝えたかったので
   これで…。」

「待って!」

私は鳳馬の袖を引く

鳳馬「どうしたのかしら?」

「私の方こそ、ごめんなさい!」

鳳馬「へ?」

「だってそっちから守るって言ったけど、
 結局私が原因で組織が崩壊してしまった
 し…何より鳳馬達に危険な目に合わせて
 しまったもの…。」

今思い出しても自分の力の無さに悔やしさ
が込み上げる

鳳馬「……。大丈夫よ。桃子ちゃんがそこ
   まで気負う必要はないわ。それに
   私なんて此処にまだ居るもの、ちょ
   っとの事で死んだりしないわ。」

鳳馬は桃子の手を取り、優しく包む

鳳馬「皆も無事よ。そうだわ!今度、また
   私とショッピングとかランチでも
   行かない?桃子ちゃんとお出かけ
   楽しかったし、どうかしら?気が
   向いたら此処に連絡してちょうだい

そう言い、連絡先を書いた紙を渡してくる

(鳳馬…私を元気づけようと…。)

私がウジウジ悩んでいてもしょうがないのだ

「うん!一緒に行こうね。絶対だよ!」

鳳馬「嬉しいわ。約束よ。」

そう言い、鳳馬は手を振り、キョウちゃんに頭を下げると帰っていった