私は倉庫へと戻ると鳳馬達がいた

鳳馬「桃子ちゃん!無事だったのね!」

「鳳馬、それに来稀も。」

来稀「へへっ!俺だってそんな簡単にくた
   ばったりしないッスよ!」

鳳馬「少なくともこの脳筋バカは頑丈だか
   ら死にはしないわよ。」

来稀「鳳馬ーっ!何だ、その言い方は!」

他にもほぼ皆が生き残っていたのだ

奥に目を凝らすと、佐藤が瞭祐を治療している

私は近寄っていった

佐藤「瞭祐さんは大丈夫ですよ
   すぐ治りますから。」

「あの…ちょっといいですか?」

佐藤「何をするんで?」

私は酷く怪我をしている所に手を当て、
念を込めた

暖かい光が発生したかと思うと皮膚が裂けていた傷が塞がったのだ

佐藤「こ、これは!?」

「私の昔からの得意な術なんです。気味悪
 がられるから暫く使ってなかったけど。
 良かった、成功して。」

瞭祐「う、ん?あれ、傷は…?」

「大丈夫だよ!傷は私が塞いだから。術を
 使ったから完璧かは分からないけど。」

瞭祐「お前、無駄に力を使うんじゃねえ。
   体力が削られていくぞ。」

「へっ?私なら何ともない…。」

私は糸が切れたように意識が無くなった

(あれ?こんな事前にもあった…。
 何でだっけ?)



倒れていく桃子の体を瞭祐が支える

瞭祐「やっぱりか…。」

佐藤「えっ?えっ?
   何が起こったんですか!?」

佐藤は驚きの連続ばかりだ

と、そこへ敬幸が近寄ってきた

敬幸「お前、あの時の奴だったんだな…。
   何故桃子を攫ったんだ…
   って桃子!?」

眠っている桃子を瞭祐が抱きかかえる光景
に仰天する

敬幸「てめぇ!」

瞭祐「勘違いするな、体力切れだ。
   早く連れて帰って休ませろ。」

桃子を敬幸に渡すと少しフラつきながら
背を向け、歩いていった

敬幸「桃子は…もういいのか?」

瞭祐「こんなに派手に潰されちゃあ、もう
   そいつを守ってやる事も出来無い。
   それに…そいつはお前らと一緒に
   居たがっているらしい。」

敬幸「………。」

瞭祐の背中を見つめ続ける

勇吾「変態は撲滅~!」

突然、後ろから鎌が飛んできた

敬幸「おわっ!危ねぇだろうが!」

勇吾「今なら嫌いな2人を一気に潰せると
   思いまして…。」

キョウヤ
  「ちょっと、ちょっと!桃子に触らな
   いでくれないかな、変態。」

敬幸「だ~れが変態だ!」

ギャアギャア騒ぐ3人を眺め、瞭祐は呆れたように笑った

瞭祐「全く、迷惑な奴らだな…。」


瞭祐「ハルカさん…やっぱり貴方にそっく
   りでしたよ…。」

瞭祐が呟いた1人ごとはもうすぐ明けるだろう黄色になっていく空に消えていった