秋真「おいおい、どうした?もう終いか?

瞭祐「そう言ってるあんたも息切れが強く
   なってきてるがな…。」

お互い一歩も譲らないようだ

秋真「そうか、なら本当の力を出させて
   貰おうか。」

秋真は目を閉じると体が数倍大きくなり
おでこから角が生えてきた

姿が変わった秋真はさっきとうって変わり
瞭祐をおしていく

瞭祐「う、っ…。」

秋真「中流階級の鬼でも甘くみちゃー
   ダメですぜ?」

(瞭祐、つらそう。怪我もしてるし勝てな
 いんじゃ…。)

遂に瞭祐はバランスを崩し、膝をついた

「瞭祐っ!」

秋真「覚悟ー!」

そう叫び刀を振り落とされる

だが…そこに瞭祐はいなかった

秋真「なっ…!何処へいった?」

見回しても何処にも居ない

瞭祐「なーに余所見してるんだ?戦い中に
   相手を見失ったらダメだぜ?」

瞭祐は秋真の後ろに立っており、背中目掛けて刀を振った

秋真「うぐっ…!」

秋真は倒れ込む

瞭祐「勝負あったな…。俺の勝ちだ。」

秋真「また失敗か…。今度こそあいつに
   捨てられるか?参ったぜ。」

瞭祐「失敗とは任務の事か?」

秋真「そうだ。“あの方”からの大切な
   お仕事なんだよ。これじゃあ俺の首
   が飛ぶ羽目になるかもな。」

瞭祐「ざまぁねぇな、鬼族の一員が。」

やれやれと呆れながら刀を鞘にしまう

百香「何を言っているのですか。もう諦め
   るつもりですか?任務は必ず果たす
   ものですよ?」

いつの間にか私を取り押さえる百香の姿

(くっそ!油断しずきた。)

「離せ!勝負はもう終わりでしょ!」

百香「いいえ、まだ終わっていません。
   仕方ありません。貴方だけでも連行
   して行きます。」

瞭祐「おい、桃…!」

次の瞬間、口から血を流す瞭祐

「えっ……。」

百香「瞭祐、貴方はもう用済みです。」

後ろにまわっていた敵が瞭祐を切り付けていた

秋真「おい、百香何してるんだ!」

百香「早くこの娘を連れて行きますよ。
   早く立って下さい。」

(え…。今目の前に倒れてるのは瞭祐?
 違う、違う人じゃなくて?こいつが、
 危害を加えた…。)

「…っざけんな。ふざけるな!」

百香「暴れないで下さい。」

私は体を締める百香の手に噛み付いた

百香「痛っ!この、ガキ!」

百香は私の頬を叩いてくる

百香「だから…子供は、嫌いなんです!」

何回も叩かれた頬は赤くなり、血の味が
してきた

「離せよ…。」

私は渾身の術で百香を弾き飛ばした

百香「ううっ…何、これ?」

百香は突然痺れたようにうずくまった

私はゆっくりと瞭祐の元へと歩み寄る