私が上機嫌で帰り道を歩いていると、
何かの気配を察知した

(何この、嫌な空気は…。気持ち悪い…)

私は当たりを見回してみる

すると黒い何かが当たりを飛んでいた

「い、いだぃ……。痛いよ。」

「く、るしい。助……け。」

私はキョウちゃんの事を思い出してしまい
私は返事をした

「あんたたちは?一体どうしたの?」

「付いて来て、お願い…。」

私は言われるまま付いて行った

進む先は森の中だった

しばらくして夕日が沈みかけた頃
「どこまで付いて行くの?」

「アーア。ツイテキチャッタネ。
 ニンゲンッテバカダナ。」

「キャハハ!コンドコソタベテチカラヲ
 ツケヨ!」

「ソシタラアノカタニミトメテモラエル
 カモヨ?」

「ソウダネ!ジャアゼッタイニ
 ニガスナヨ?」

私は黒いもの達に囲まれた、そして
炎で一気に包まれた

(く…本物の火じゃないけど熱い。)

私は急いで数珠を取り出し、目の前に
突き出した

そしたらあっという間に炎は消え去った

「コイツ、フツウノニンゲンジャナイナ。
 スゴイレイリョクヲモッテイル。」

「アァ。マスマスミノガセナイネ。」

「キャハハ!レイリョクツヨイニンゲンハ
 ウマイカラナ!」

(さっきの会話で言ってた“あの方”って
 誰だろう?まーそんなことより…)

「お前ら、この私を連れて来るとは
 愚かだな。諦めて成仏でもしてろ!」

私は春夜の式神を出した。

「春夜!出てきて!」

春夜は既に戦闘態勢で出てきた

「春夜、あのもの達を噛んで来なさい。」

春夜は黒いものに向かって飛びついた

次々と黒いものを喰らっていく

(よし!何とか全部はらえそうだ!)

しかし、次の瞬間

「キャウン!!」

「は、春夜!!」

春夜は炎を含んだ風に吹き飛ばされてしまったのだ

「春夜!大丈夫?」

…「おや?外してしまった。
 まぁいい、次こそは仕留めますか。」

「アノコ、アノカタニ
 スコシニテナイカ?」

「タシカニ、ワザノツカイカタトカ
 フンイキガソックリ!」

「スゴイ!スゴイ!」

(何なの!?“あの方”って!)

「さっきから言ってるあの方って
 誰だよ!そしてお前は誰だ!」

…「あまり話したくないのですが…
  まぁいいでしょう。どのみちあなたは
  無事に帰ることは出来ないのです
  からね。」

そいつは怪しく笑った

…「まず、私からあいさつしましょう。
  悟《さとり》です。私の名前も
  正体もサトリですがね…。」

(サトリ妖怪!知ってるけど
 どんな能力を使うのか分からない。)

サトリ「そして、そうですねぇ。
    あの方の正体、ですか。
    まぁ簡単に言うならば私達に
    力を付けてくださった恩人
    とでも言うのですかね。」

「アノカタハトテモイイカタ!」

「ニンゲンカライヤナコトサレタボク
 タチヲ、マモッテクレタ。」

「イツモニコニコシテテヤサシイヨ!」

(てことは、私と同じ力を使える
 術者ってこと?)

戸惑いと不安で渦巻いていく

そして私はとある疑問が浮き出てきた…

(さっき春夜に使ってきた術
 狐火だったよね?)

「その火、狐火よね!?何でサトリのあんた
 が使ってるの?」

サトリ「そうですよ。狐火ですが、
    もちろん私は使えませんから
    ある方に使って貰ってます。」

サトリの後ろから草がカサカサと揺れた

私はじっとその方向を見ていた

な、なんで?

「何でそこにいるの?








 キョウちゃん……。」