「はあっ!……ハァ……夢…か。」

どうやら私は悪夢を見ていたらしい

(私らしくない…。)

するとドアを叩く音が聞こえてきた

「はーい、どうぞ。」

ドアが開くと鳳馬さんが入ってきた

鳳馬「桃子ちゃんお腹空いてないかしら?
   今から食べに行かないかなーって」

「あぁ…少し空いてます。
 そういえば瞭祐は、何処に?」

鳳馬「瞭祐ならちょっと仕事が忙しく
   なってね。お話ならまた後で
   ですって。」

「はぁ…そうですか。」

鳳馬「そ・れ・よ・り!
   頬、どうしたのかしら?」

鳳馬さんは頬に指を差しながら困った
顔で私を見ていた

私は不思議に思い、自分の頬を撫でる

(あ…涙、いつの間に!!)

「こ、これは何でもないです!あくび
 したら出てきちゃって!」

鳳馬「もぉ~、バレバレの嘘つかなくても
   いいのに。無理しちゃダメよ?」

私の手を優しく握り、微笑みかける

鳳馬「出会ってすぐこんな事言うの変
   だけど私でよければ相談にのるわ。
   瞭祐の言った事は許してちょう
   だいね。
   確かにあの人、普通の人と比べて
   ぶっ飛んだ考え方するけどね!」

(うわ~…。仲間にまでこんな事言われる
 なんてな~。)

鳳馬「それに、さっきから堅苦しいわよ。
   年なんて関係なく普通に話し
   ましょうよ。女同士仲良く
   なりましょ♪」

「は…う、うん。よろしく。」
(女同士なのか…。)

鳳馬「行きつけのお店があるのよ。
   凄く美味しいランチだから、早く
   行きましょ!」

鳳馬は私の腕を引っ張り、走り出す

(ちゃんと力は強いんだね…。)

車で移動して着いた所は小さいがオシャレなお店だった

鳳馬「ここのパスタ美味しいのよ!
   さぁ、早く入りましょう!」

私達はお店に入り、早速注文を済ませる

暫くすると店員が食事を運んできた

店員「お待たせしました。ご注文の
   トマトパスタ2つでーす。」

目の前に出されたパスタの香りに私は
お腹が鳴ってきそうになる

鳳馬「さぁ、食べて!」

「じゃあ、いただきます。」

フォークを手に取り、パスタを口まで
運んでいく

「おっ、美味しい!」

鳳馬「ふふっ、でしょ?」

昨日は何も食べていなかったからか
私は嬉しかったのだ

鳳馬「良かった、初めて笑顔が見れたわ。
   子供らしいわね。」

「え…あ、ごめんなさい。」

鳳馬「いいのよ、無理も無いわ。
   いきなり知らない人と生活なんて
   普通に出来ないよ。やっぱり元の
   家で過ごしたいわよね…。」

「まぁ…そうだね。少し騒がしくて嫌だ
 って思う時もあるけど…。私は今の生活
 が好きだから。」

鳳馬「貴方は良い家族に巡りあえたわね。
   幸せ者~。」

そう言う鳳馬はどこか悲しさを含んだ
顔で笑っていた

鳳馬「そして、今彼氏はいないの
   かしら~?もしくは好きな人!」

「ううん、出来たらいいけどね。
 何せ私はチビだし、まず女として見られ
 てるかどうかだもん。(笑」

鳳馬「あら、そうかしら?」
  (何処からどう見てもモテそうな
   美少女じゃない。)

そんな感じで会話は意外と弾んでいた