今日は約束の日

私は答えを出すためにあの場所へと向かっていた

1週間前と変わらない桜の木は満開に
咲きほこっていた

(この桜は不思議ね…。他の桜はすぐ散る
 のに夏の最後まで咲いているから。)

…「よぉ、桜姫様。
  1人で花見とは水くせぇことするな。
  俺も参加していいかい?」

そしてあの男もまた桜の木の陰から出て
きた

「答えは決まった。私に情報を聞かせて!
 貴方の後に着いていく。」

…「ふ~ん?これは意外だな。
  てっきり断るかと思ってたぜ。
  ま、断ったら強制的に連れてこうとも
  思ってたがな。」

「良い取り引き条件だと思ったからよ。」

…「賢い選択だ。益々気に入った。
  それよりあの番犬はいいのか?
  説得してこなくて。」

「大丈夫。ちゃんと言って来たから。」

…「ならいい…。早く着いてこい。」

私は男の後を着いていく

(ごめん、キョウちゃん、勇吾、敬幸。
 私着いていって情報を貰う!)

その頃の桃子の自宅にて…

敬幸「ただいま~。って何だ、あいつら
   まだ帰ってなかったのか…。」

敬幸は暗い家の中に不思議に思いつつ
電気をつけ、リビングへと向かった

敬幸「はぁー…。明日からやっと休みだ。
   …ん?何だ、この紙は?」

テーブルの上に置いてあったメモのような
物を手に取り、書いてある字を読み上げ
ていく

敬幸「“皆へ 明日から友達と旅行で
   泊まりに行っていきますので
   私のことは心配しないで下さい
   お土産待っててね 桃子”
   あいつ、旅行行くのか?」

妙だと思ったが、プライベートな事情を
わざわざ尋ねる必要も無い

敬幸「置き手紙じゃなくてちゃんと事前に
   話せよな…。」

(それに…1週間前のあの野郎も気に
 なるし。何か怪しいぜ…。)