あの狐、キョウヤと過ごして1週間が
経とうとしていた

キョウヤは家事が上手いのか私がする前に
洗濯やら料理やらをこなしてしまうのだ

(なんか女の私より、女らしくないか?)

今日もキョウヤが起こしてくれたので
私は遅刻をしないですみありがたいのだが
家にお母さんができたみたいだ

~回想~
キョウヤ「ほら、飯作っといたぞ。
     早く食え。」

「う~~ん。別に良いのに
 朝食は食べなくても平気だよ?」

キョウヤ「何言ってるんだ!
     朝食こそ食べないと体に悪い
     ぞ!昼食とか夕食に食べると
     太るしな。」

「余計なお世話!」

少しムカつくがありがたいのでちゃんと
食べてから出かけた

あーでも違和感ありまくりだなー

1人暮らしして3年になるのか

でもやっぱり誰かと暮らすってこんなに
温かいのか…

そんなことを考えてボーッとしていると、
明音「どうしたの?何か悩みごとがある
   の?話聞くわよ?」

明音が顔を覗き込んできた

「え?あ、ううん。何でもない!
 大丈夫だよ?」

男子生徒A「うわー!!今日は桃子が
      珍しく大人しいぞ!
      こりゃ嵐にでもなるな!」

男子生徒B「お前あんまり茶化すなよw
      言い過ぎると仕返しされる
      からw」

明音「ちょっと、止めなさいよ!」

「ふっ……。明音、大丈夫よ。こんな阿呆
 どもはほっとけばいいんだから。」
と言いつつも桃子は2人を追いかけ
て行った

明音「ふう、全く桃子ちゃんたら…。」

家に妖怪の九尾の狐がいてどうすれば
いいかなんて口がさけてもいえないもん

明音には心配させて悪いと思ったが
これは私だけの秘密なのだ

1人の男子を捕まえて技をかけていると
男子生徒B(やべーよ、あいつ死にかけ
      てる。)

女子生徒A「ねぇねぇ、知ってる?
      この前の森の話。」

女子生徒B「知ってる!何か黒い人影が
      出てきて、炎で囲まれて命
      取られそうになったん
      でしょ?」

女子生徒A「ヤバくない?命からがら
      だったからあまり動画に
      撮影出来なかったらしい
      けどさー。」

女子生徒B「私達も撮ってくる?w」

女子生徒A「止めなよ~w命とられる
      かもよ?本気っぽいしー。」

女子生徒B「あ~あ。誰か撮ってきて
      くれないかなー。」

森、炎、人影……

私は心当たりがありまくりだが、
あいつは怪我をしていたし、そんなこと
出来るような気がしない

明音「さっきの話、ここ最近出るわね~。
   聡もよく話してきてるし。」

「でも、そういう所は面白はんぶんで
 いったらいけないよ…。
 ホントに祟られるかもしれないから。」

明音「詳しいわね~。やっぱり霊感
   強いとそういうのも知ってる
   のね!」

「あ、あはははー。」

周りの人には一応霊感強いというのだけを
話していたので、多少のことを話しても
怪しまれにくくしている

(まさか私が安倍晴明のような式神を
 操れるとは思わまい。)

男子生徒A「と…こ。は、なせ……。」

男子生徒B(ドンマイ、友よ…。)