私達は帰り支度をし、屋敷の外に出る

すると…

烏天狗「巫女様。私達を助けていただき
    ありがとうございます!」

烏天狗「お蔭様で集落の皆は無事
    でした。」

私は烏天狗族の人達に囲まれた

「え…、そんな。私は何も…。」

子供「巫女様~っ!」

「あ、君はあの時の!」

あの親子が近づいてきた

母親「貴方のお陰で私達は無事に生きて
   いられました。
   何と御礼を言ったらよいか…。」

子供「ねぇねぇ巫女様…。」

「うん?何…?」

子供「大きくなったら僕のお嫁さんに
   なってよ!」

(えっ!こんな事ホントにあるんだ!)

母親「まだまだ先長いじゃないの。
   全くこの子は…。」

烏天狗「坊主、いいぞ!」

烏天狗「可愛いわね~。
    いいわね、若いって。」

「嬉しい!じゃあ考えてみて…。」

勇吾「おい、坊主。その女は止めとけ。
   結婚しても苦労するだけだぞ?
   乱暴だし、口悪いわ短気だしで
   すぐに尻に敷かれるだけ…。」

私は勇吾を蹴り飛ばす

「何言ってるの!こんな純粋な子に
 何てこと教えてるんだよ!腹黒め!」

勇吾「痛ってぇ!何すんだブス!」

母親「ふふっ…。どうやら貴方の結婚は
   難しそうね。」

母親は2人を見て微笑むが
子供は首をかしげていた

そして私達はボロボロの大門の前まで来た

寛幸「何も力になれなくてすまないね…」

「良いんです。強くなれただけで
 私にとっては一歩進めました。」

寛幸「そうか…。では人間界でも出来る
   修行方法をこの紙に書いた。
   持っていきなさい。」

「ありがとうございます!
 師匠…お世話になりました。」

寛幸「うむ。では敬幸、送っていき
   なさい。」

敬幸「あぁ…。じゃあ行くぞ。」

その後、私達は家まで送って貰ったのだ

「今までありがとう、トシ。
 短かかったけどまた元気でね。」

キョウヤ
  「もうその面見なくなると思うと
   精々するぜ。」

勇吾「同意。」

敬幸「テメェら…。その言葉そのままバッ
   トで打ち返してやるよ。
   その事なんだが…。」

「?」

敬幸「俺は人間界にそのままいることに
   なったんだ。しばらくこの町で
   暮らしていく。」

「え?本当!?」

敬幸「あぁ…。それとこれが最後のお願い
   だ。」

「うん、何?」

敬幸「俺と契約を続行してくれ!
   俺の集落を襲った元凶が許せない」

「いいよ。トシなら大歓迎!」

敬幸「ありがとうな。」

「ところでトシは何処に住んでるの?」

敬幸「俺の家まだ決まってなくてよ…。
   今から物件探しに行くとこで…。」

「それなら私の家に住みなよ。」


敬幸・キョウヤ・勇吾
「「「はぁ?何言ってんだ!?」」」

「あら、珍しく息ピッタリ。」

キョウヤ
  「俺絶対嫌だかんな?こんな烏と
   一緒に暮らすと思うと鳥肌が
   止まらねぇよ!」

敬幸「俺も嫌だわ、クソ狐!
   あのなぁ…俺は男だぞ?
   相変わらず無防備だよな…。」

キョウヤ
  「そ、そうだ!こいつは変態だし
   桃子に何するか分かったもんじゃ
   ねぇ!」

敬幸「お前も変態だろ。」

勇吾「こんな奴がお隣とは…。
   俺も絶対に嫌だね。」

「つべこべ言わず、これは主様命令!」

キョウヤ
  「桃子!そんな無駄なことで権力
   使うんじゃありません!」

「だって…私寂しかったから…。
 人が増えた方が楽しいし。
 ね、良いでしょ?」

敬幸「うっ…!」

キョウヤ「そんな顔するなよ…。」

どうやら大人達は桃子の泣きそうな顔に
根負けしたようだ

勇吾「へっ!ぶりっ子が…。」

「あんたは来なければ良いだけじゃん。」

私はトシに振り返り

「改めてよろしくね、トシ!」

敬幸「あぁ、よろしくな主様。」


更に仲間がまた増えて私は嬉しかった

じいちゃん、私は今日も元気に過ごして
います