甘桃と幻妖怪

その様子を眺める者が1人…

…「あちゃ~。やっぱり倒れちゃったか」

百香「※※様、申し訳ございません。
   数々の失態を…。」

秋真「どれも全部勝手に暴走してやった
   だけじゃねーか。」

…「いいんだ百香。全部俺のためにやって
  くれた事だろう?嬉しいよ。」

百香「そんな…滅相もありません。」

…「秋真~。もうちょっと何か説得
  出来なかったの?」

秋真「お前さんが自ら出てって説得すれば
   良かったんじゃねぇの?」

…「えー嫌だ。俺、恥ずかしがり屋
  だから。」

秋真「どの口が言ってんだか…。」

赤松「ひいっ!た、助けて下さい!」

するとそこへ片腕が無くなった赤松が
駆け込んでくる

…「え、誰?」

秋真「暁継殿のご子息様だよ。」

…「あーなるほど。で、何の用?」

百香「役立たずが今更何用だ…。」

…「こらこら、百香。口が悪いよ。」

赤松「俺の親父がやられちまったんだ!
   そ、そうだ!誰か強い奴いないか?
   もう一度、敬幸を…。」

…「悪いけど兵はもう貸せないね。
  君のお父様だって出来なかったんだ
  から君には出来ない。あきらめて?」

赤松「…っ人間風情が…。うらあ~っ!」

赤松は男に襲い掛かる

…「へぇ~?人間ね。
  確かに俺は人間だが。」

瞬時、赤松の腕が飛ぶ

赤松「ぎゃあああ!!」

赤松はのたうち回る

…「何も出来ないグズが俺に意見出来ると
  思ったのかな?
  それに残念ながらただの人間じゃ
  ないんだよ。」

赤松の目の前に一匹の獣が立ち尽くす

赤松「ま、さか…、鵺?バカな…。
   お前が、鵺だなんて!」

…「そのまさかだよ。君と俺じゃどっちが
  勝つかなんて分かるよね?
  それに君、もう両腕も無いし楽しめ
  ないからいいや…。バイバイ。」

そのまま男は自分の大きい手を振り上げ
赤松を押し潰す

…「あっ!ようやく夜が明けた!
  俺達もそろそろ引き上げるか。」

秋真「良いんですか?あの嬢ちゃんは。」

…「今回はいいや。そう焦る必要はない。
  それに…あの件ももう少し進めて
  おきたいしね。」

男は遠くから皆に心配される桃子をもう一度見つめていた

…「じゃあまた会おうね。
  俺達のお姫様…。」

そう呟いた男の頬から赤い血が垂れていく

その血は朝日で光り輝き、赤い薔薇のように散っていった