「大丈夫!?トシ、目を覚まして!」

何回呼びかけても目を開けない

「トシ…、わぁぁぁん!」

敬幸「止めろーー!俺が死んだ風な雰囲気
   で泣くなー!!」

敬幸は鬼の形相で起き上がる

キョウヤ「あ、起きたんだ。お早さん!」

勇吾「ちっ!そのまま永眠してれば
   いいものを…。」

敬幸「軽すぎだ!あと勇吾も調子乗る
   んじゃねぇ!」

「トシ、平気?死なないよね…。」

敬幸「あぁ…平気だ。それより俺にあまり
   近づかない方がいいぞ。
   血で濡れすぎてるし…。」

「何言ってるの?私は平気だよ?」

敬幸「それに散々嫌な光景見せちまったし
   怖いだろ…。」

「ううん、助けてくれた人に怖いだなんて
 思わないよ。私は皆が死んじゃう方が
 よっぽどの怖いもん。
 ありがとね、トシ!」

目を丸くしてビックリした

敬幸(聞いたことある台詞だな…。
   それにしてもコイツもお人好し
   すぎるだろ。)

自分が救った少女は今度はちゃんと目の前に確かにいる

敬幸「良かった…無事で…。」

そう言い桃子の頭を撫でる

「うん、早く集落に戻らないと…。」

突然、私は視界が揺れる感覚に落ちていった

(あれ?何で私…どうして…。)

トシが驚く表情を見た最後に私は意識が途絶えた