敬幸「お前ら、気を抜くなよ?」

敬幸は今日も周りの警備をしていた

烏天狗「若長…あの、鬼族の奴らがここを
    襲撃してくるって噂本当です
    かね?」

敬幸「さぁな?まだ確信は無いがもしもの
   時がある。油断は禁物だ。」

と、そこへ色々な取引をする例の集団が
来た

敬幸(こいつらか…。よく観察して
   おいた方がいいな。)

いつも通り門の前で取引を済ませる

敬幸(やっぱり考えすぎだったか…。)

と安堵していた

しかし赤い何かが飛び散っている光景が
見えた

敬幸「は?」

なんと連中が烏天狗に襲い掛かったのだ

俺はすぐさま駈け寄り、連中を倒す

最後の1人となった

敬幸「最後に聞く。何の目的だ。」

その人はニヤリと笑い、花火を打ち上げた

しかしその瞬間切り捨てられた

敬幸「おい!緊急事態だ!鐘をならせ!」

烏天狗「はい!分かりました!」

辺りに鐘が鳴り響く



一方その頃…

「何だろう、この鐘の音は?」

キョウヤ「警報か何かかもな…。」

「とにかく早く急がないと!」

2人が向かった大門付近は既に戦場化
していたのだ

キョウヤ「予想どおり、鬼族の奴らが
     襲って来たな。」

襲う鬼族達は皆狂ったように襲い掛かる

(“あの方”のせいで…こんな事態に。)

私は恐怖より怒りが立ちこめてきた

キョウヤ「こいつら様子がおかしいぞ。
     って、桃子!危ない!」

1人の鬼が私に一直線に向かってくる

しかし…

私は弓を構え、鬼に矢を放つ

鬼「ぐっ…、がぁぁぁー!」

鬼は苦しみ悶え消えていった

「キョウちゃん。私は大丈夫だから。」

キョウヤ
  「おぉ…。気をつけろよ。お前は極力
   戦わなくていいからな?」

(生きている者を殺してしまうなんて
 こんなにも苦しいことだったんだ…。)

手の震えが止まらない

顔を上げると門からトシが出て行くのが
見えていた

「キョウちゃん。私トシ見かけたから
 追いかけてくる。」

キョウヤ「おい、待て!大丈夫か?」

「平気、平気。キョウちゃんは後から追いかけて来てね。」

私はすぐさまトシの後を追いかけていく

外に出ると野原が一面に広がっていた

(あともう少しで追いつく…。)

と、そこへ

鬼「人間…人間ダ!」

鬼「コイツハオイシソウダ!」

数人の鬼に囲まれてしまった

鬼「唯の人間か?まーこんな子供喰った
  って上手くはないか…。
  よし、お前達喰っていいぞ。」

その言葉で襲い掛かる

「なめて貰っちゃ困るね。」

私は弓を構え矢を射る

鬼「ギャアアアー!」

その光景を見た鬼達は動きを止める

鬼「ナンダ、アイツ?」

鬼「タダノニンゲンジャナイノカ?」

鬼「お前…まさか、術を使えるのか?
  しかし何か見覚えが…。」

鬼は何か思い出し、ニヤリと笑う

鬼「予定変更だ…。お前達、その人間を
  傷つけずに捕らえろ!」

鬼達は再び襲い掛かってくる

(一旦逃げないと…。)

私は近くの茂みに隠れる

(私だけじゃ倒すのは難しい…。
 どうすれば…。)

私は懐が熱くなるのを感じた

(このお札は…。勇吾の!?どうして?)

私はふと、キョウちゃんの言葉を思い出す

(頼ることを覚えた方が良いか…。
 でも勇吾は絶対にトシと顔を合わせたく
 ないだろうし。)

私はお札をしまう…だがどんどんお札は
熱くなっていくばかりである

鬼「コッチカラニオイガスルナ。」

鬼「…!ミツケタ、トラエロ!」

鬼は襲い掛かるが桃子には手が届かない

私がゆっくり目を開くと勇吾が目の前に
いた