空がオレンジに染まる頃…

私は特訓をしている

(何で…何で当たらないの?)

寛幸「まぁ、焦ることはない。
   焦っていても出来ないからな。」

「すみません、師匠…。
 今日は止めて一旦落ち着きます。」

寛幸「そうした方が良い。
   一つ助言しよう。
   桃子には自信が無いんだ。
   自分なら出来ると思うだけでも
   違ってくる。自信過剰は確かに
   ダメなことだが自信が無いのもダメ
   なことだ。」

「はい、ありがとうございます。」

寛幸「お疲れさま。」

私は屋敷までの道を帰っていく

屋敷にたどり着くと何だか皆の様子が
落ち着かないようだ

(どうしたのだろう…。)

屋敷の中へ入ると縄で縛られている
黒い布に身を包んだ人が2人いた

キョウヤ
  「ようやく捕まえたぜ。さぁ、お前ら
   のボスのこと洗いざらい吐いて
   貰おうか?」

キョウちゃんが2人を脅しているのだが
中々口を割らない

烏天狗「おい、よく見ると鬼族の奴ら
    じゃないか!」

烏天狗「一体何があったんだ?」

キョウヤ
   「ちっ!やっぱり中々言わないか」

鬼「…この匂い。人間か?」

1人の鬼がこちらへ向かってくる

鬼「お前を喰わせろ!能力の高い人間!」

ものすごい早さで向かってくる

烏天狗「お嬢ちゃん!危ねぇ!」

しかし私の目の前で鬼は炎に包まれ燃えた

キョウヤ
  「お前もあんな風にされたくなかった
   らさっさと吐くことだな。」

鬼「ひいっ!お、俺達は上部の事は
  知らねぇ!本当だ!」

キョウヤ
 「じゃあ何であんなことしてた?」

鬼「ただ烏天狗族の様子を見張れとしか
  言われてなくて…。」

その言葉で周りの皆は話し始めた

烏天狗「鬼族の奴ら何考えてるんだ?」

烏天狗「私、鬼族がここら一体を支配し
    始めたって噂聞いたわ。」

烏天狗「はぁーっ!?何だそりゃ?」

私は冷や汗が止まらなかった

(これで確信した。“あの方”が絶対に
 動いているんだ。)

いざ情報が掴めるチャンスが来たというの
に怖くて思考が停止する

キョウヤ「桃子、平気か!」

「キョウちゃん…。トシと合流しよう!」

キョウヤ「おう、分かった。」

(何のために今まで修行してきたの?
 弱気になっていても何も解決しない。)

私達は屋敷の外へと駆け出した