今日の特訓は集中力を高めていた

正座をして一心にただ静かに心を
落ち着ける

…「その調子だ、良いぞ。」

私を教育している人はカラス天狗族の
高年者のお婆様だ

お婆「かーっ!!」

私は扇子で叩かれる

「あいたた…。」

お婆「もっと集中せんか。
   どんな時も集中力は大切。
   そんな調子ではすぐお主のような
   小娘は飲み込まれてしまいじゃ。」

「すみません。もう一回お願いします!」

お婆「その意気じゃ。では用意!」

私はそれからお昼まで続けた

私はやっと休憩に入り、そこらを散歩
していた

「今日は肩が痛むな~…。」

と、そこへ

子供「あ~っ。巫女様だ!」

「へ?」

あ、そうだ私の事だった

確かに巫女みたいな格好に赤い紐で長い髪
を縛っているのだ

「こんにちは。良い天気ね。」

そこへ子供の母親らしき人が駆け寄って
きた

子供の母親
「こらっ!はぐれちゃダメでしょ?
 すみません。修行の邪魔になって
 しまって…。」

「いえ、良いですよ。
 ちょうど休憩中でしたから。
 じゃあまたね、ばいばい!」

子供「ばいばい、巫女様!」

母親も会釈をしていき去っていく

親子の背中を見送り、意気込む

(もっと…もっと強くなってみせる!)

しかし寛幸さん…じゃなかった師匠は
集落の皆には私の存在を伝えてくれた
ようだ

でももっと怯えたり、睨まれたりするもの
だと思っていたら

案外ここの住人は
何でも受け入れてしまうタイプの人が
多いようだ…

(いや、ここが特殊すぎなのか…?)

普通に声掛けて来たし、今日なんかは
「今日も頑張ってけよ!」
「巫女さん、お婆様の修行は厳しいから
 へこたれるんじゃないからね!」
とか応援される始末だ

(まー妖怪も人間と同じで、
 悪い者もいれば優しい者もいるって
 ことだね。)

「さーて!休憩したら次は弓の特訓ね。」