寛幸「もっと集中!そんなことでは
   霊達にバカにされてしまうぞ!」

「はい、師匠!」

私はというと今滝に打たれている

なぜかというと…

寛幸「修行が必要なほど弱そうには
   見えないがね。」

「いえ、私じいちゃんにある程度教えて
 貰っただけでそれから全然特訓していな
 いので。もっと強くなりたいんです!」

寛幸「……。」

(やっぱりダメだったかな…。)

寛幸「良し!良かろう!
   その心意気、気に入った!」

「あ、ありがとうございます!」

寛幸「ただし私の特訓は厳しいからな。
   本気でやらせて貰うぞ?
   それから特訓の間は私のこと
   師匠と呼びなさい。」

「はい、師匠!」

回想終了………


滝から出た私はびしょびしょだったので凄く寒い
それもそうだ
私は白い修行着を着ていてそれがすごく薄いので今は冬だ

寛幸「休んでいる暇はないぞ。
   次はこの建物の周りを10周して
   貰う。」

「はっ…はい!」

(本当に厳しいな!きっつ!)

でも私も役に立ちたい
その気持ちが強いから止めることができなかった

そしてその夜…

敬幸「おい…大丈夫か、お前?」

「う、うん何とか。ははは。」

敬幸(目が笑ってねぇ…。)

私の姿はあちこちに傷を作り
来たときよりも大変な変化を見せていた

キョウヤ「おーい、今帰ったぞー
     って…うお!なんだ!?
     桃子、何があったんだ!」

「あー、キョウちゃんお帰り。」

私を見たキョウちゃんは慌てふためく

「ちょっとね…、私強くなりたくて。」

キョウヤ「お前は別に強くなくても…。」

「それでも私は修行するよ。それに…。」

キョウヤ「それに?」

「いや、何でもない…。」

(鬼族と戦うかもしれないっていったら
 私を強制的に帰しちゃうかも…。)

敬幸「なぁ…、お前、もしかして…。」

敬幸の肩に何かが当たった

敬幸「って、はぁー!?」

眠っている桃子が肩に寄り掛かって
きたのだ

「すぅー…。」

そのままずり落ち、頭が膝に移動していく

敬幸「お前なぁ…、すこしは危機感
   持てよな…。」

膝で気持ち良さそうに眠る桃子の姿に
敬幸は呆れていた

キョウヤ
  「はいストップ、ストップ。
   そんな奴の膝に乗っちゃダメ。」

キョウヤは桃子を抱き上げる

キョウヤ
  「何されるか分からないからな。
   ……この変態カラス…。」

敬幸「なっ!そんなガキに何の感情も
   もたねーよ!」

「むにゃ…トシ酷ーい…。」
と言いながら脳天に手刀を下ろした

敬幸「うがっ!起きてるのかよ!」

しかし桃子は寝ている

キョウヤ
  「ぷぷ!残念だね、トシくん!
   桃子は寝相悪いから寝てても気を
   抜いたらダメだぜ~?」

「キョウちゃんも…さいてー。」

今度はキョウヤの脳天に手刀を出した

キョウヤ「ぎゃーっ!!」

キョウヤは悶え、桃子は相変わらず寝てる

敬幸「ふん、テメェは一言が余計なん
   だよ。」

キョウヤ
  「うるせー変態!早く寝ろ、桃子!」

キョウヤは桃子を再び抱え、部屋を
出て行った

敬幸「全く…騒がしい連中だな…。」

1人の空間になったが、なんだか少し
寂しいような気もする

(まーこんな騒がしいのはいつぶり
 だろうな…。)