キョウヤ「お、おかえりって…
     何だその黒いものは?」

「カラス、だけど?」

キョウヤ「いや、カラスだけどって
     って言われても。
     状況分からないぞ…。」

「とりあえず、治療しないと。」

御札を取り出し、カラスに貼り付けた

(でも、この御札って効くのかな?)

キョウヤ「おいおい、ペットはもう春夜で
     十分だろ?面倒みきれなくなっ
     たらどうすんだよ。」

「別にペットにしないもん。この子が治る
 までの間だから、その間も私がキチンと
 面倒見るよ!ね?いいでしょ。」

キョウヤ「まー好きにしろよ。
     俺は絶対面倒みないからな?」

「羽からも血が出てる…。
 包帯を巻いておけばいいかな?」

勇吾「何だ?その鳥は。
   そんなの連れてきて…。」

「この子、どうやら妖怪っぽくて
 誰かの式神かも知れない…。」

キョウヤ「あぁ…、それを先に言って欲し
     かったんだよ…。
     何だったらもし主がいなかった
     ら契約したらどうだ?」

勇吾「鶴の恩返しならぬ、烏の恩返しって
   やつですか。」

キョウヤ「勇吾くん、うまいこと
     言うじゃん!」

「2人とも、手伝わないならこの部屋から
 出てってよね!
 それと、勇吾は早くこの家から出てって
 ね?」

私は2人を部屋から強制的に出て行かせる
とドアを閉めた

「ふーっ、デリカシーってものをあの2人
 は知らないのか?」

カラスは全く起きる様子はない

「カラスの生態は知らないからなー…。
 じいちゃんが持ってた鳥図鑑なら何か
 載ってるかな?」

2階の屋根裏部屋へと向かったら

(てか何でかじいちゃん、やたらと鳥に
 詳しかったよねー。何でだろ?)

私が1人暮らしを始めてからまだ1度も
じいちゃんに会いに行ってない…

(ほぼ私の世話につきっきりでお母さんも
 死んじゃってたし、随分迷惑掛けた
 な…。)

後ろめたさで行くのに躊躇ってしまうのだ

(あと、あの事もあったからかな…。)

「あ!早くあの子の様子見ないと!」

私は急いでカラスの部屋に向かった

「おーい…カラス平気かー…?」

私がドアを開け声を掛ける

「きゃーーーー!?」

突然悲鳴が響いた

キョウヤ「おい、桃子!大丈夫か!?」

勇吾「何だ?Gでもいたのか?」

声の元へと駆けつける

「え?は?何でっ…。」

桃子の声の原因を見ようとドアを開けた