学校に着いた時は既に授業が始まっており、もちろん先生にお説教された

私は放課後、罰として教室の掃除をさせられることになった

(くっそー、今日はついてないなー)

私はぶすくれながら掃除を始めると
仲の良い友達が声をかけてきた

…「大丈夫?僕も手伝おうか?」

…「私も今日放課後、予定ないから
  お手伝いしましょうか?」

声をかけてきたのは双子の兄弟の
聡《さとる》と明音《あかね》だ

「ううん、大丈夫!
 遅刻した私が悪いんだし
 2人が手伝うことはないよ。」

聡「そう…。じゃあ頑張ってね
  何も力になれなくてごめんね。」

明音「桃子ちゃん…無理しないでね?
   またあの先生に無茶なことされたら
   いつでも私を頼っていいから。
   ……あの教師どう料理してくれよう
   か。」

聡「ね、姉さん、いいから早く帰ろ?
  じ、じゃあまたね!桃子ちゃん。」

「あはは…。また明日ね」

2人は特別仲の良い幼なじみだ

聡は大人しいけど、面倒見がよく
さっきのような明音の暴走を止めている
優しいのでお母さん?のような存在
であるw

姉の明音は一見みると上品なお嬢様のようだか実はここら一帯の暴走族の長だ…
表と裏の性格が激しすぎる
なのでなるべく怒らせないようにしている

2人の背中を見届けると再び気合いを入れて掃除を開始した

空の色に青が入る頃、私はようやく掃除を
終えることができた

「さーて、帰るとしますか…。」

私は帰路に立っていた

「夕飯は、もう疲れたから家にあるもので
 いいかー。
 ……どうせ1人だし。」

今日は運が悪すぎた

早く帰って休もう

しかしふと近くにある神社に目がいった

目にしたとたん吸い込まれるように
足を運んでいった

(え?なんでだろ…
 疲れてるはずなのに)

私は歩みを止めることなく、近づいていった

鳥居の先に何か大きい影が見えた

(もしかして人!?こんな所に?)

しかしよく見るとただの人ではなかった

耳と尻尾が生えており血だらけの姿で
倒れていた

(もしかして、九尾の狐?
 初めて見た…、関わらない方がいい
 かな?)

私は離れていこうとした

「……ううっ。く、るしい…。」

うめき声を聞き今朝の霊を思い出した

 (いや、ほっとけるわけない
  今度は助けよう!)

私は近づき容態を確認する

「あんた、大丈夫?少し立てる?」

「う…ん……。」

私は支えながら私の家まで運んでいった

家に着くとその人を布団の上に寝かせた

傷は深いものばかりだったが
命に関わるものはないとみた

(まー妖怪だし1日あれば治るでしょ。)
 
私も明日の仕度などをして眠りについた