甘桃と幻妖怪

変化した雲蓮はこちらに向かって
またもや糸を出してきた

勇吾は切り、私は数珠を使って弾いた

(でもこんなことしててもきりがない。
 こっちが先に体力切れしてしまう…。)

「一旦外に出よう!ここの部屋だとすぐ
 に捕まってしまうから。」

勇吾「ちっ!…分かったよ。」

勇吾も続いて外の校舎裏に逃げた

校舎裏には森があり、滝と繋がる池がある

しかし、雲蓮は追いかけて来ず
周りが静寂になっていた

「どうして雲蓮は追いかけて来ないの?
 逆に不気味だわ…。」

勇吾「もしかしたら、何処かに隠れてる
   のかもしれねー。用心しろよ。」

足元から音がなったので見ると
中くらいのクモがあるき回っていた

「うげっ!気持ち悪いっ!」

足を上げようとしたが動かない

(ま、まさか!?)

よく見たらクモは私の足に何重にも糸を
巻きつけていた

そして糸をキツく縛られ

「っきゃあ!!」

私は森の中へと引きずられていった

(痛い、痛い!顔擦ったらダメ!)

私は仰向けに引きずられた

勇吾「のろま!だから気を付けろって
   いっただろ!」

足の糸は勇吾によって切られた

「あの時はたまたま気を取られてたの!
 相手がそもそもクモじゃなきゃ
 こんな事にはならなかったのに!」

起き上がると目の前に池があった

校舎から数十メートルは離れてるだろう

校舎が見えていないのだ

(てことは私、結構引きずられたのね。)

苛立ってきた

雲蓮「もう少しで捕まえられたのに…。
   やっぱり坊やには消えて貰うしか
   ないようね?」

雲蓮は池の中から出てきた

(いつの間に池に!?瞬間移動でも
 出来るのか?)

「てか何で池の中にいるの?」

勇吾「元々、女郎蜘蛛は池の中にいる
   妖怪だ。寧ろ池の中の方があいつに
   とって有利になっちまう。
   お前、そんなことも知らねーのか
   よ。勉強しろよな…。」

「妖怪なんてホントにいると思わないから
 よく知るわけないでしょ!
 最近いることに驚いてたんだから
 当たり前だよ!」

雲蓮「いいじゃない。私が優位に立てた
   って事は苦しまずに済むわよ?
   お嬢さん、あなたは正しい選択を
   したわ。」

うふふっ!と不適に笑った

勇吾「とりあえず、その口を黙らせる
   ことにするか。
   あんたで俺の鎌の切れ具合の
   練習台になって貰うぞ。」

勇吾はジャンプして雲蓮に鎌を降り
降ろした

しかし、雲蓮の出した糸は強力で勇吾の
鎌を吹き飛ばしてしまった

勇吾「く……っ!」

勇吾は着地をするが、倒れてしまった

そう、勇吾も足にいつの間にか糸を
巻きつけられてしまったのだ

雲蓮「どうやら私の勝ちみたいね?
   坊やはゆっくりおねんねして
   なさいね?」

雲蓮はあっという間に勇吾を糸で巻きつけてしまった

それを見たカマイタチ達は怒りだし
雲蓮に向かって襲っていった

雲蓮「あなた達のご主人様は眠りに
   ついたの。
   起こしちゃダメよ?」

カマイタチ達も糸で巻きつけられ
消えていってしまった

雲蓮「さて、あなただけね、お嬢さん。
   もう助けてくれる坊やもいないし
   素直に私に捕まったらどう?」

「嫌だ。それに私が大人しく捕まった
 として無事に皆を解放してくれる
 の?」

雲蓮「う~ん、そうするかもしれないし
   しないかもしれないわね。
   まー私の気分次第かしらね?」

ふふ、と無邪気そうに笑う

私はまた更に苛ついた

「決めた、私はあんたに捕まらないし
 皆も絶対に救い出す。
 あんたらの思い通りにはさせない!」

雲蓮「そう…なら私もお嬢さんを捕まえ
   るし、皆を食べちゃい
   ましょうか。」

勇吾「う…っ。は、やく
   にげ、ろ、ブス……。」

雲蓮は勇吾を更にキツく縛っていった

「あんた、私に逃げろなんて言わない
 でしょ!!何弱気になってるんだ!
 あんたを助けるまで絶対に逃げない!
   

 っ…ゆ、ご…。

 勇吾っ!! 」


勇吾(俺のこと名前で呼ばなかったくせに
   何だ?あいつ。
   でもこの声何処かで聞いた気が
   するな…。)

俺はあいつの呼ぶ声を聞きながら
意識を途切れさせた