「狐さん、おいで!
 怖がらなくていいんだよ。大丈夫!
 何もしないから安心して。」
神社から少し離れた草むらに狐がいた

狐は怯えて動こうとしないが
少女はかまわず狐に1歩、2歩と近づいた

狐は威嚇し少女に引っかいたが、
少女は何事もなかったように狐を抱き上げた

しばらくは狐も暴れていたが、
少女の優しい温もりが段々と伝わって
いったせいか狐はしばらくその温もりに身を委ねた

「狐さん、やっぱり怪我していたのね…
 こんなに血が出てかわいそう。
 すぐに治してあげるね!」
狐は今まで人の優しさに触れたことがなかった

狐の目からは一筋の涙が流れた