まずい、なんか、想像以上にショックが大きい。
昨年、八橋さんから好きな人がいると聞かされた時よりも。

「そっか。それはおめでたい」
『ねー。歌の練習しなきゃ』
「歌?」
『同期代表で歌うかもでしょ。式で』

ああ、結婚式。
くらくらと視点が定まらない。

去年の今頃、私は八橋さんの式に呼ばれれば行くだろうと思っていた。

なのに、今は。

「……そうだね」

笑ったつもりなのに、声が落ちた。

『正武? どうしたの、大丈夫?』
「あ、うん。じゃあ遊ぶの、調べとくね」
『おっけー、またね』

電話を切る。