「‥‥‥で?」
何で日葵は私と一緒に行きたいんだろう?
 「何でわざわざ私を誘うのよ。一人で行くか、彼氏さんと行って来たらいいのに」
「もー、つれないなー!駿樹に、イケメンの写真見に行くなんて言えないじゃん!一人で行くのも寂しいし、だったら、次は面倒くさがりそうだけど真紘誘ってみるかって」
因みに駿樹っていうのは日葵の彼氏さんね。
 日葵を溺愛していて、たしかに他の男の写真を見に行くとは申し訳なくて言いにくい。
 あ、別に駿樹さんが重いって言ってるわけじゃないから。
 そんな事言ったら日葵にすごく睨まれそうで怖い。
 駿樹さんが日葵を溺愛してるように日葵も駿樹さんのことが大好きなのだ。
 こっちが恥ずかしくなるぐらいのラブラブカップル。
 「てことでお願い!真紘、私と一緒に写真展に行って!」
「えー‥‥‥」
一方の私はそこまで乗り気じゃない。
 写真展に行くぐらいなら、自室のベッドにダイブしてたい。
 「お願い〜!」
うわ出たよ、必殺上目遣い。
 ここまで頼まれてるから、断りにくい。
 私ってなんてお人好しなんだろう?
 「‥‥‥いいよ」
とうとう根負けして渋々了解する。
 「本当!?」
「‥‥‥うん」
日葵がすっごく嬉しそうな顔をするから、何かいいことをした気分になる。
 実際してるんだけど。
 「ただし、行くのは次の土曜日ね」
「えー何で?」
 「どうせ行くならちゃんと日葵と一日遊んでたいじゃん」
放課後だとそんなに遊べる時間ないし。
 遊ぶなら、ちゃんと時間あるときに一日中満喫したい。
 そう思って日葵に言うと、日葵がやけにキラキラした目でこちらを見ていた。
 「ありがとう〜‥‥‥!真紘大好き!」
「はいはい知ってるから、暑苦しい」
だから離れろ。
 日葵を引き剥がそうとするが、日葵はぎゅうぎゅう抱きついてくる。
 ‥‥‥今日だけ我慢してやるか。