悠理は限度ってものを知らなさすぎる。
これじゃあ、いつまで私の心臓が持つかわからない。
一人で百面相していると、後ろから誰かに声をかけられた。
「ねえねえ柳井さん」
「・・・何かな?」
赤くなった顔をなんとか冷まし、王子様の笑みを貼り付けて答える。
そこには、5人の女の子が立っていた。
なんの用だろうか。
「ダンボール捨てるためのゴミ袋が足りなくて。倉庫からゴミ袋取ってきてもらっていいかな?」
「え・・・別に良いけど」
5人もいるんだから自分たちで行けば?と言いそうになったけど、素直に受け入れた。
ただでさえ悠理のことで女子の中に敵ができているのに、これ以上余計な反感を買いたくない。
「ありがとう!」
「・・・いいよ、これくらい」
一瞬、5人が意地の悪そうに笑った気がした。
このとき、もっと不思議に思うべきだったんだ。
―――ゴ、ゴ、ゴ。
教室の扉より鈍くて硬い音を立てながら、私は倉庫の扉を開けた。
職員室に鍵を取りに行ったんだけど、もう職員室に鍵は置いてなかった。
おそらく、他のクラスの生徒が持っているんだろう。
倉庫の中に一歩足を踏み入れる。
何気にここの倉庫、初めて入るかもしれない。
中は窓が小さいせいで入ってくる光の量が少なく、薄暗い。
倉庫か・・・。
嫌なことを思い出してしまった。
合宿のとき、倉庫で秋谷に襲われかけたんだよね。
知らないうちに倉庫のことが苦手になっていたのかもしれない。
倉庫恐怖症って、なんだそれ。
そんな恐怖症持ってるのって世界で私くらいじゃないかな?
なんてね。
くだらないことを考えて、気を紛らわす。
こういうのは、早く目的のものを見つけて早く教室に戻るのが一番だろう。
ゴミ袋を探すため、私はぐるりと倉庫内を見回した。
・・・あれ?
そこで、違和感を感じる。
「体育倉庫・・・?」
倉庫の中には陸上部が使うようなハードルやバトン、サッカー部のサッカーボールなどが所狭しと並べられている。
普通、こんなところにゴミ袋なんてあるのかな?
それに、あの5人の女の子たちも考えてみればおかしい。
いくら、名前を覚えるのが苦手な私でも、クラスメイトの女子5の顔も名前もわからないなんてあり得るのかな?
・・・まさか。
急いで入り口に近づいたとき。
―――ガチャン。
無情にも、私の目の前で倉庫の扉の鍵がしめられてしまった。
これじゃあ、いつまで私の心臓が持つかわからない。
一人で百面相していると、後ろから誰かに声をかけられた。
「ねえねえ柳井さん」
「・・・何かな?」
赤くなった顔をなんとか冷まし、王子様の笑みを貼り付けて答える。
そこには、5人の女の子が立っていた。
なんの用だろうか。
「ダンボール捨てるためのゴミ袋が足りなくて。倉庫からゴミ袋取ってきてもらっていいかな?」
「え・・・別に良いけど」
5人もいるんだから自分たちで行けば?と言いそうになったけど、素直に受け入れた。
ただでさえ悠理のことで女子の中に敵ができているのに、これ以上余計な反感を買いたくない。
「ありがとう!」
「・・・いいよ、これくらい」
一瞬、5人が意地の悪そうに笑った気がした。
このとき、もっと不思議に思うべきだったんだ。
―――ゴ、ゴ、ゴ。
教室の扉より鈍くて硬い音を立てながら、私は倉庫の扉を開けた。
職員室に鍵を取りに行ったんだけど、もう職員室に鍵は置いてなかった。
おそらく、他のクラスの生徒が持っているんだろう。
倉庫の中に一歩足を踏み入れる。
何気にここの倉庫、初めて入るかもしれない。
中は窓が小さいせいで入ってくる光の量が少なく、薄暗い。
倉庫か・・・。
嫌なことを思い出してしまった。
合宿のとき、倉庫で秋谷に襲われかけたんだよね。
知らないうちに倉庫のことが苦手になっていたのかもしれない。
倉庫恐怖症って、なんだそれ。
そんな恐怖症持ってるのって世界で私くらいじゃないかな?
なんてね。
くだらないことを考えて、気を紛らわす。
こういうのは、早く目的のものを見つけて早く教室に戻るのが一番だろう。
ゴミ袋を探すため、私はぐるりと倉庫内を見回した。
・・・あれ?
そこで、違和感を感じる。
「体育倉庫・・・?」
倉庫の中には陸上部が使うようなハードルやバトン、サッカー部のサッカーボールなどが所狭しと並べられている。
普通、こんなところにゴミ袋なんてあるのかな?
それに、あの5人の女の子たちも考えてみればおかしい。
いくら、名前を覚えるのが苦手な私でも、クラスメイトの女子5の顔も名前もわからないなんてあり得るのかな?
・・・まさか。
急いで入り口に近づいたとき。
―――ガチャン。
無情にも、私の目の前で倉庫の扉の鍵がしめられてしまった。

