「お前も大事な弟だから。悩みとか、一人で抱え込まれるのも辛いんだぞ」
「…、うん、ごめん壱くん」
「何年一緒にいると思ってんだよ」
「っ、そ、だね、ごめん」
「謝んなよ。いーからほら、そんな泣いた顔で帰ったらまゆさんにいじられるぞ」
僕はずっと、一人で抱えすぎていたのかもしれない。
蓋を開けてみれば小さなことだった。
人は変わるものだ。
月日が経って一ミリも変わらない人なんていない。
僕もゆんも、毎日成長し続けている。
世界がたとえきみを、僕を、否定しても。
『なぁ雅翔、ゆんが言ってたよ』
―――“わたし、ましゃの笑った顔がだいすきです”
“揺らがない”きみの隣でただ笑っていたいと、そう思えたんだ。



