ぎゅっと、心臓がしめつけられる。
…どうしてこんな風に感じる必要があるんだ。
自分がしていることも 感じる思いも悪いことじゃないことなんてわかっている。
浅木先輩に恋をしていることはなにも悪くない。
愛は人間として抱く感情。
僕は何の変哲もない高校生として恋をしているだけ、なのに。
どうして、幸せを喜ばれることがこんなにも苦しいのだろう。
「雅翔」
「…、」
「なんでそんな泣きそうな顔してんの?」
泣きそうになっている理由は僕もわからない。
まるで情緒不安定みたいじゃないか。
「全部吐き出してもいいんだよ」「全部ちゃんと聞いてるよ」ーーそう言われているような、壱くんの優しい声色がまた、僕の胸を締め付ける。
「…壱くん、俺は」
弱弱しい声は紛れもなく僕のもの。
震えて、掠れて、今にも泣きだしそうな情けない声だ。



