「ちょっと待て。
なんで都築ちゃんの母ちゃんが、つっちーのこと知ってんの」

「…前に挨拶されたから?」

「そもそもばったり会うか!?」

「あー、俺んちの隣だから」

「誰が」

「綾那が」

「・・・はぁ~!?」

「ちょ、声大きい…」


なんでそんな大きな声で反応するんだっ!
みんなが注目するじゃないか!!


「お前それずるすぎだろ!」

「…なにが」

「学校でも隣、家も隣なんて
つっちーばっか都築ちゃん独占しててずるい!

ってかいつの間に名前で呼ぶようになってんだよ!」


・・・だから、声大きいってば…


「…別に独占してねぇだろ」

「いーや、してる!!
俺も都築ちゃんと仲良くなりたい!」


・・・いや、あの
隣だからと言って仲がいいわけではないのではないのではないでしょうかね…


…あ、でも
隣に住んでなかったら、一樹と仲良くなることってなかったかも。
マンションのエントランスで会うことだってないわけで、エレベーターで一緒になることもないわけで。

窓越しに話したりすることもないし、お米研ぎに行くことだってないし。


こう思うと、やっぱり隣に住んでるって大きいことなんだなぁ…