「つ、土屋くん…おはよ」

「はよ。
ってか一樹でいいって」

「あ、そうだった。
一樹ね、一樹」


もうすっかり忘れてた。
名前で呼ぶから名前で呼べって言われてたんだった。


「ってか起きるの早いじゃん。
7時まであと2分あるよ?」

「俺窓開けて寝てたから、綾那のでかい声で起きた」

「え!?」

「朝からどんだけでかい声で話してんだよ」

「で、でかい声じゃないもんっ…!」

「…十分でかかったけど?」


全く顔は見えないけど…
でも、声色だけで一樹がちょっと笑ってるってのがわかるや…


「ってか綾那モテ期なわけ?」

「えっ!話聞いて…!?」

「だから、あんなでかい声で話してたら嫌でも聞こえるっつーの。
聞かれたくなかったら窓はしっかり閉めとけ」


…うわぁ…、なんかめっちゃ恥ずかしいじゃん…!!
私一樹のこと、変な風に言ってなかったよね…?

イケメンだとか…




・・・言った、気がする。


『その男友達どんな人?』

『とりあえずめっちゃイケメン!
静岡にはまずいないイケメン!』



・・・がっつり、言ってました。
言ってました。結構なボリュームで…