穏やかな午後。
待ち合わせの時間まで、あと5分。
いつもの河川敷に着けば、すぐに彼の後ろ姿を見つけた。
「そら」
ごめんね待った?と言いながら彼へ近づく。
「ううん、大丈夫」
そう言うあなたの鼻は赤い。
「寒くない?」
「まだ大丈夫」
「我慢しないでね」
あなたが寒がりなのは知っている。
私は暑がりだけど、できるだけそらの近くに腰掛けた。
「夏にあった絵画コンペの結果が出たんだ」
「そういえば夏祭りに言ってたね」
「うん、それ、入賞してた」
「へえ…!」
ばッとそらを見たら、それに気づいた彼も私を見る。
自分のことのように嬉しくて。
おめでとう、と笑った。
「まあ、奨励賞だからおまけみたいなものだけど」
「でもすごいじゃん。けっこう大きな規模だったんでしょ、何万作品って応募があって」
「うん」
「すごい。嬉しい。やっぱり、そらの絵は誰かの心を揺さぶる力があるのよ」



