「なんだよ」
「ハナのどこが好き?」
「っ!」
息を呑んだのは俺だけではない。
となりの存在が、はっとこちらを見た気がした。
「どこに、惚れたわけ?」
目の前の大きな瞳は、挑発するように細くなる。
「……」
「ねえ、聞いてる?」
どこに、惚れた?
かあっと、からだの芯で熱が発生するのを感じた。
「別に……っ」
本人がいる前で、そんなこと言えるもんか。
やっぱりこいつ嫌いだ。
こんな表情、この二人には、絶対見られたくなくて。
自らの腕の中へ、顔を沈める。
「可愛い照れ方だこと」
「うっざ」
「あーもう。じゃ、質問変える。そらっちにとって愛莉は、“ た だ の ” 幼馴染?」
「ちがう」
「ソクトーじゃん」
「大切なひとだ」
気安く名を呼ぶな、その下品な口で。
という気持ちは ぐっと押し込み、目だけ動かしてあいつを睨む。
すると、ふっ、と余裕の笑みで俺の視線をへし折って、ゆっくりと、口を、開いて。



