「……そうだけど」 私もあなたの低い声で返す。 ──「ありがとう」 「ふふっ、へたくそ」 ──「ふっ……愛莉だって」 そうしてくすくす笑い合う。 まだ繋がっていたいと惜しんだけれど、私は早くこの部屋から出なければならないという任務が残っていた。 じゃあまた、と言えばそらの声は遠くなって、無音になる。 途端に響く、雫音。 シャワーが止まった。 そう認識したら突発的に起立する。 急がなきゃ、と思って扉に向かい、この寂しいお城から抜け出した。